佐藤正午

『月の満ち欠け』

リアル感のあるファンタジー 面白かったです。『身の上話』→『鳩の撃退法』→本作と読んで、いずれも最初は穏やかにゆっくりと入り、やや退屈な感じから、ある時を境に話が急展開しはじめ、その後は一気に読んでしまうというスタイルは同じでした。私の読書タ…

 『身の上話』

あり得ないことが日常にまぎれているという感覚(文中より) これは怖い小説です。 タイトルからして『身の上話』というありきたりの日常を連想させます。主人公のミチルは、一見どこにでもいそうな代わり映えのない女の子です。小さな事件は起こりますが、…