2018-01-01から1年間の記事一覧

『コンビニ人間』

前々から気になっていた本 この作品が芥川賞を受賞した時は、味気ない題名にすぐに読みたいとは思いませんでした。しかし気になっていました。なぜならば、私も3年間コンビニでパートをしていた経験があるからです。どんなふうにコンビニが書かれてあるのか…

『月の満ち欠け』

リアル感のあるファンタジー 面白かったです。『身の上話』→『鳩の撃退法』→本作と読んで、いずれも最初は穏やかにゆっくりと入り、やや退屈な感じから、ある時を境に話が急展開しはじめ、その後は一気に読んでしまうというスタイルは同じでした。私の読書タ…

 『身の上話』

あり得ないことが日常にまぎれているという感覚(文中より) これは怖い小説です。 タイトルからして『身の上話』というありきたりの日常を連想させます。主人公のミチルは、一見どこにでもいそうな代わり映えのない女の子です。小さな事件は起こりますが、…

『ОUТ』

鬱屈する心のゆくえ『夜の谷を行く』で、桐野夏生に出会い、『顔に降りかかる雨』『デンジャラス』『柔らかな頬』と続き、桐野夏生ワールドにはまりました。 この『アウト』で、立ち止まりました。剛速球が立て続けにきたので、酸欠状態になりました。それに…

 『夜の谷を行く』

人生は続く…寝しなに本棚の古い文藝春秋を手に取って、パラパラとめくり、連載「夜の谷を行く」を読みはじめたら、はまった。この続きを読みたいと思った。もう単行本になっているはずだ。調べたら地元図書館にありすぐに借りに行った。寝るのも忘れて明け方…