『さむがりやのサンタ』                            レイモンド・ブリッグズ作・絵 すがはらひろくに訳


12月の声がきこえてくると、きまって手にする絵本

 
 カレンダーをめくり、あららもう、今年も2ケ月で終わりなの、来月は12月だ、と思ったあたりからそわそわしてきて、本棚からこの絵本を取り出してみます。

 サンタがさむがりだなんて笑っちゃいます。いっしょにいる黒猫のクロと犬のポチがかわいいですね。クロがサンタさんの首にのってまきついているのもいいです。 サンタさんの食事がおいしそう。ベーコンエッグに、ティーポットでいれたお茶、ミルク、チーズにイギリスパン。バターにジャムもあります。
 しっかり着込んで部屋をあっためて、戸締りもして、トナカイと、さぁ、出発!
途中、ひどい雪、次は雨、「おつぎはなんだい」に「きり!」の一言には、声をだして笑ってしまいます。
 
 「よっこらしょっ、やれやれ」といいながら、煙突をおりる様子やプレゼントを配る姿が、おもしろいです。ひとこまひとこまが、すみずみまで楽しいです。こどもたちの寝息や、あったかい湯気、ストーブのパチパチと燃える音が聞こえてくるようです。

 クリスマスまで、この絵本を何度も手にとってながめ、笑ってはほっこりとあたたまりながら楽しみます。私には、サンタさんがこんなふうにして毎年やってきます。